看護師不足を解決するための対策

医療現場における看護師不足は、深刻化する一方だ。こうした実態を改善するため、日本看護協会を中心としてさまざまな対策が打ち出されてきた。看護師の健康を損ないやすい、夜勤などの不規則勤務を免除した、日勤だけの勤務を認める雇用形態も提案されている。日勤でも1日6時間に限定するなど、短時間勤務の正規職員を雇用する体制も導入されつつあるのだ。

もちろん、こうした対策は外来での実現の可能性は高いが、病棟では他の看護師に負担がかかることは否定できない。その中で看護師不足を解消するには、こうした思い切った改革が必要だと日本看護協会は考えている。この対策は、医療現場から離れた潜在看護師の、救済手段としても有効だといわれている。潜在看護師は、看護師資格を持っているものの、医療現場で働いていない人を指す。潜在看護師の中には、医療現場に復職したいと考えている人もいるが、ブランクが空いてしまうとなかなか戻りにくい事情がある。

医療は、日進月歩で変化しているため、一旦現場を離れると新しい知識や技術を学び直さなければならない。また、ブランク明けから常勤で働くことも、潜在看護師にとって大変な負担だ。そこで日本看護協会の提示した改革案は、潜在看護師にとっても魅力的に見えるだろう。最初から常勤で働くよりも、短時間勤務から徐々に慣れていければ、やがて遅れを取り戻せるかもしれない。既に実務経験のある潜在看護師が復職することは、現場にとっても利点がある。